
2025年7月30日
▼目次
透明で目立ちにくく、取り外しも可能な「インビザライン」は、歯並びを整えたいと考える多くの方に選ばれやすい矯正方法です。この治療をより精密に、スムーズに進めるために活用されているのが、口腔内スキャナー「iTero(アイテロ)」です。従来の歯型取りとは異なり、スキャンだけで歯型を取得できるiTeroは、患者さんの負担を軽減し矯正計画の精度向上が期待されます。今回は、インビザライン矯正におけるiTeroの特徴と役割、導入によるメリットデメリット、そして実際の治療の流れについて解説します。
iTero(アイテロ)は、インビザライン矯正の診断や矯正計画を立てる際に使用される口腔内スキャナーです。歯や歯ぐきの形を短時間で正確に記録できるデジタル機器で、従来の粘土のような素材を使った歯型取りの代わりとして導入されます。
スキャン専用の小さなカメラのような機器を口の中に入れ、上下の歯や噛み合わせをなぞるように撮影するだけで歯型が完成します。従来の粘土を使う歯型取りとは異なり、嘔吐反射がある方にとっても負担が少ない傾向にあり、矯正を始める際の負担が軽減されることが期待されます。
スキャン後すぐに3Dデータが画面上に表示され、歯の位置や噛み合わせを視覚的に確認できます。このデータは、矯正用マウスピースの設計や矯正計画の作成に活用されます。
iTeroはインビザラインのマウスピース製造元と連携しており、スキャンデータはインターネットを通じてすぐに送ることができます。歯型を郵送する手間がないため、矯正開始までの時間が短縮されることがあります。
取得したデータを用いることで、歯がどのように動くのか、矯正後にどのような歯並びになるのかを患者さんご自身が確認できます。これにより、矯正への理解と納得が得やすくなるでしょう。
ミクロン単位(1000分の1ミリ単位)の細かい歯の凹凸や角度まで再現可能なため、マウスピースの適合精度も高く、計画通りに歯が動きやすくなる可能性が期待されます。これにより、再調整や追加アライナーの製作が少なく済む可能性もあります。
デジタル技術で矯正計画の精度が大きく向上するiTeroは、現代のインビザライン矯正において欠かせない存在となっています。
iTeroは多くのメリットを持つ一方で、検討すべき点もいくつかあります。ここでは、矯正を検討する上で知っておくべきメリットとデメリットを整理します。
<メリット>
従来の粘土型取りによる不快感や嘔吐反射が比較的少なく、短時間でのスキャンが可能です。矯正の最初のステップとなる歯型取得の負担が軽減されるでしょう。
歯の動きをミクロン単位で再現できるため、矯正のズレが少なく、マウスピースの適合性も高まると考えられます。これにより、再製作や計画の修正が少なくなり、予定通りに矯正が進みやすくなることが期待されます。
スキャンデータをもとに作成する矯正シミュレーションにより、「矯正後にどのような歯並びになるか」を画面で見ることができます。これにより、矯正へのモチベーションや理解の向上につながるでしょう。
従来は歯型を取った後に模型を郵送していたため時間がかかっていましたが、iTeroはその場でスキャンデータを送信できます。これにより、矯正開始までの時間がを短縮できる可能性があります。
<デメリット>
iTeroは比較的高価な医療機器であるため、全ての歯科医院に導入されているわけではありません。iTeroを使用した矯正を希望する場合は、導入している歯科医院を選ぶ必要があります。
精密なスキャンには、歯科医師やスタッフの専門的な技術と経験が必要です。撮影ミスや不正確なデータは矯正の精度に影響を及ぼす可能性があるため、iTeroの使用経験のある歯科医院を探しましょう。
利便性と精度の両面でiTeroは有用ですが、その性能を最大限に活かすためには、設備だけでなく、歯科医師の知識や経験も重要となります。
iTeroを活用したインビザライン矯正は、デジタル技術によって、治療の各ステップをスムーズに進められる可能性があります。以下に、一般的な治療の流れを6つに分けてご紹介します。
まずは歯科医師とのカウンセリングを受け、現在の歯並びや噛み合わせの状態を確認します。患者さんの希望やライフスタイルも踏まえながら、インビザライン矯正が適しているかどうかを判断します。
矯正方針が決定したら、iTeroによるスキャンを実施します。上下の歯と噛み合わせを丁寧に撮影し、数分で精密な3Dデータを作成します。従来の歯型採取に比べ、患者さんの負担が少ないとされており、苦手意識のある方にも選ばれることがあります。
取得したスキャンデータをもとに、専用ソフトで矯正シミュレーション(クリンチェック)を作成します。矯正開始から完了までにどのように歯が動いていくかを、3D画像で確認することができます。これにより、患者さんが治療のゴールを具体的にイメージしやすくなるでしょう。
シミュレーションの内容に同意が得られたら、データはそのままインビザラインのマウスピース製造元へ送信されます。通常、2〜4週間程度で最初のマウスピースが完成し、歯科医院に到着します。装着方法やお手入れ方法についての指導を受けた上で、矯正治療がスタートします。
マウスピースは1〜2週間ごとに交換していきます。定期的に歯科医院を受診し、歯の動きやマウスピースの適合状況を確認します。必要があれば、再スキャンを行って「追加アライナー」と呼ばれる調整用のマウスピースを作成することもあります。
歯が目標の位置まで動いたら、矯正は「保定期間」へと移行します。この期間には、歯が元の位置に戻らないようにリテーナー(保定装置)を使用して安定させます。リテーナーもiTeroでスキャンされたデータを元に活用して製作することが可能でしょう。
iTeroを活用したインビザライン矯正は、治療の流れを視覚的に確認しやすく、全体の見通しを立てやすいのが特徴です。すべての方に当てはまるわけではありませんが、デジタル技術を取り入れることで、矯正治療を進めやすくなる場合もあります。
新潟市の歯医者 新潟I’S歯科・矯正歯科は、インビザライン矯正治療だけでなくむし歯や歯周病などの一般歯科の治療も同時に受けていただける総合歯科医院です。
矯正治療中にむし歯や歯周病などの口腔内のトラブルが生じた場合、インビザライン矯正治療を一旦止めなければならないこともあります。
しかし総合歯科医院である当院なら、むし歯や歯周病治療も対応が可能です。
また、インビザライン矯正治療では、次のようなお悩みにも対応しています。
「前歯の捻れだけ矯正したい」「すきっ歯の部分だけ矯正したい」こうした患者さんにおすすめなのが、気になる所だけを治療する「部分矯正」です。
全体の歯並びを整えるケースと比べて、ほとんどの場合、治療期間が短く済むケースが多く、治療費も抑えられます。
後戻りとは、矯正した歯が元の位置に戻ってしまうことです。実は、せっかく矯正治療を終えても歯並びが元に戻ることがあります。
保定装置(リテーナー)を正しく使用できていなかったり、舌で歯を押す癖があったりする場合、後戻りする可能性があります。
インビザライン矯正は、後戻りした歯を再びきれいに並べる治療にも有効です。後戻りが気になる方はご相談ください。
新潟I’S歯科・矯正歯科では、iTero(アイテロ)と呼ばれる精密機器を使って、インビザライン矯正による歯並びの変化を予測する無料シミュレーションを実施しています。
患者さんの歯型を基に、どのように歯並びが変わっていくのか3Dで確認できるため、治療後のイメージもしやすくなります。
▼インビザライン矯正の詳細はこちら
iTero(アイテロ)は、歯型を取る際の患者さんの負担を減らし、インビザライン矯正の計画をより精密に立てるため活用されている3Dスキャナーです。データでのシミュレーションによってマウスピースの作製が可能となることで、矯正治療の質の向上も期待されます。
新潟市でインビザライン矯正をご検討の方は、新潟I’S歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。
監修:新潟I’S歯科・矯正歯科
院長 守尾
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。